「すずめの戸締り」を見たけど、なんだかつまらなかった…。みんなが絶賛しているのに、自分だけ共感できないのはなぜでしょうか。
新海誠監督の前作「君の名は。」や「天気の子」ほどの感動が得られなかった方も多いようです。
本記事では、「すずめの戸締り」がつまらないと感じる5つの理由や、評価が分かれる原因を詳しく解説します。
また、他の新海作品との比較も行い、なぜ「すずめの戸締り」に対する評価が分かれるのかを探ります。
すずめの戸締りがつまらないと言われる5つの理由
「すずめの戸締り」がつまらないと言われる理由について、5つの観点から詳しく見ていきましょう。
- ご都合主義的な展開
- 主人公の鈴芽に共感できない
- 展開が急すぎ
- ストーリーの一貫性がない
- 震災をテーマにしたリアルな描写が辛い それでは、一つずつ解説していきますね。
ご都合主義的な展開
「すずめの戸締り」の物語展開、なんだか都合よすぎると感じませんでしたか？特に物語の終盤、猫のダイジンを犠牲にしてハッピーエンドを迎える場面。ここに違和感を覚えた人も多いんです。
物語が都合よく進みすぎて、現実味に欠ける印象を与えちゃってるんですよね。例えば、鈴芽が危険な場所に簡単に入れちゃったり、重要な情報が偶然手に入っちゃったり。こういう展開が多すぎるんです。
物語を進めるには便利かもしれませんが、見ている人の没入感が損なわれちゃうんですよ。リアリティを求める人にとっては、こんなご都合主義的な展開が作品の魅力を半減させちゃうんです。
結末も、複雑な問題があっさり解決しちゃう印象があって、深みが足りないって感じる人も多いみたいです。つまらないって感想、こんなところに原因があったんですね。
主人公の鈴芽に共感できない
「すずめの戸締り」の主人公、鈴芽。彼女に共感できないって声も多いんです。なぜかというと、鈴芽の行動や気持ちの変化に、十分な説明がないんです。だから、見ている人が「なんで？」って思っちゃうことが多いんですよね。
例えば、鈴芽が突然危ない場所に飛び込んでいく場面。その理由がちゃんと描かれてないから、唐突な感じがするんです。鈴芽の過去や家族のことも、あまり詳しく描かれてないんですよね。だから、鈴芽という人物の深みが感じられないんです。
主人公に共感できないと、物語全体にのめり込めなくなっちゃいますよね。面白くないって感じちゃうのも無理ないかも。もし鈴芽の内面をもっと丁寧に描いてくれていたら、見ている人との感情的なつながりが生まれて、もっと楽しめたかもしれませんね。
展開が急すぎ
物語の展開のテンポ、速すぎませんでしたか？大事な場面や感動的な場面が次々と出てくるから、一つ一つの出来事をじっくり味わう時間がないんです。これじゃあ、つまらないって感じちゃいますよね。
具体的に言うと、鈴芽が新しい場所に着いてから問題解決までの時間が短すぎて、その土地の雰囲気や人々との交流を十分に味わえないんです。キャラクター同士の関係の変化も急すぎて、自然な成長や変化を感じられないんですよ。
物語のテンポが速すぎると、見ている人が感情移入する時間が足りなくなっちゃって、作品全体の印象が薄くなっちゃうんです。ゆっくりじっくり描かれる場面があれば、キャラクターや世界観をもっと深く理解できて、より面白く感じられたかもしれませんね。
ストーリーの一貫性がない
「すずめの戸締り」のストーリー、一貫性がないって感じませんでしたか？特に、新海誠監督が前作「天気の子」で示した哲学的なテーマ（多数の命か愛する人一人の命かという選択）が、「すずめの戸締り」では放棄されたように感じられるんです。
「天気の子」では主人公の選択が社会に大きな影響を与えましたよね。でも「すずめの戸締り」では、そんな重大な決断の場面が少ないように感じられるんです。物語の中で出てくる問題や課題が、最後まで一貫して扱われていないんですよ。
途中で放置されちゃうプロットや、突然現れる新しい設定など、ストーリーの流れに違和感を覚える人も多いみたい。一貫性のあるストーリー展開があれば、作品のメッセージがもっとはっきり伝わって、つまらないなんて感じなかったかもしれませんね。
震災をテーマにしたリアルな描写が辛い
「すずめの戸締り」が震災をテーマにしているから、リアルな描写に辛さを感じる人も多いんです。特に東日本大震災を経験した人にとっては、映画の中の地震や津波のシーンがつらい記憶を呼び起こしちゃう可能性があるんですよね。
緊急地震速報の音や揺れる建物の描写など、リアルな表現が多く使われているんです。これらの描写は、震災の記憶を持つ人にとっては、トラウマを刺激しちゃう可能性があるんですよ。
震災後の復興の様子や、失った家族や故郷を思い出させるシーンも、心の負担になっちゃう可能性があります。震災という重いテーマを扱うことで、作品に深みや意義を持たせる意図があったんでしょうけど、同時に一部の人にとっては「つらい」「見たくない」と感じさせる要因にもなっちゃってるんです。
こういった理由で、つまらないっていうより、見るのが辛いって感じちゃう人もいるんですよね。
すずめの戸締まりの評価が分かれるのはなぜ？
「すずめの戸締まり」の評価がわかれる理由について、以下の3つの観点から見ていきましょう。
- 震災描写への賛否両論
- ファンタジー要素の受け止め方の違い
- 新海誠監督への期待値の影響
それぞれ詳しく解説していきますね。
震災描写への賛否両論
「すずめの戸締まり」の震災描写については、人それぞれの受け取り方があるようです。
映画では、緊急地震速報の警報音が流れるシーンがあります。実際の音とは異なるものの、震災を経験した方にとっては、つらい記憶がよみがえるかもしれません。そのため、公式Twitterでは事前に注意を呼びかけていました。
一方で、震災から11年がたち、記憶が薄れつつある中で、「あの日を忘れない」という思いが伝わってくるという声もあります。震災の描写が丁寧で、心の傷の表現にも配慮が感じられるという評価もあるんです。
つまり、震災描写については個人の経験や感じ方によって、評価がわかれているんですね。震災を経験した方には辛い場面があるかもしれませんが、震災の記憶を風化させない役割も果たしているのかもしれません。
ファンタジー要素の受け止め方の違い
「すずめの戸締まり」のファンタジー要素も、人によって受け止め方が違うようです。
例えば、主人公のすずめが椅子になった草太と一緒に旅をするという設定。これって、ちょっと現実離れしていると感じる人もいるでしょう。神話的なモチーフが何を表しているのか、わかりにくいという声も聞かれます。
でも、こんな意見もあるんです。このファンタジー要素が作品に独特の魅力を与えているって。椅子になった草太とすずめのやりとりが、コミカルで胸キュンするという人もいるんですよ。
ファンタジー要素の受け止め方は、その人の好みや想像力によって大きく違ってきます。現実的な描写が好きな人には物語に入り込みにくいかもしれません。でも、想像力豊かな世界観を楽しむ人には、これらの要素が作品の魅力を高めているんです。
新海誠監督への期待値の影響
新海誠監督への期待値も、「すずめの戸締まり」の評価に大きく影響しているんです。
新海監督の前作「君の名は。」は興行収入250億円超え、「天気の子」も140億円を超える大ヒットでした。だから、「すずめの戸締まり」にも同じような成功が期待されていたんですね。
でも今回、新海監督はあえて「成功手法」を使わず、新しいことに挑戦したそうです。これって、商業的にはリスクが高い選択だったんです。作家として作るべき作品を作るというスタンスを貫いたんですね。
この姿勢を尊敬する声がある一方で、前作のような感動や興奮が得られなかったという意見もあります。高すぎる期待値が、作品の評価にマイナスの影響を与えている可能性もあるんです。
新海監督のファンには新しい挑戦を評価する人も多いですが、前作のような感動を期待していた人には、物足りなく感じられたかもしれません。期待値の高さが、評価を分ける一因になっているんですね。
つまらないは嘘？すずめの戸締りの評価されている点
「すずめの戸締り」は、たくさんの人から高く評価されているんです。どんなところが評価されているのか、3つの観点から見ていきましょう。
- 美しい映像美と音楽
- 日本各地の風景描写
- 震災テーマの丁寧な扱い
美しい映像美と音楽
まず、「すずめの戸締り」の美しい映像と音楽について、お話ししましょう。
新海誠監督の繊細な描写力って、本当にすごいんです。空の描き方や光の表現なんて、まるで本物の写真みたい！雲の動きや雨上がりの空気感まで、細かいところまでしっかり描かれているんですよ。
音楽も負けていません。RADWIMPSが担当していて、映画音楽作曲家の陣内一真さんと一緒に作っているんです。主題歌「すずめ」は、オーディションで選ばれた十明（とあか）さんが歌っています。彼女の声がまた素敵で、映画の雰囲気をぐっと引き立てているんです。
新海監督自身も、音楽がなかったら観客は何を受け取ればいいのか分からなかったかも、って言っているくらい。音楽が作品の核になっているんですね。
日本各地の風景描写
次は、日本各地の風景描写についてです。
新海誠監督の描く日本の景色、本当に素晴らしいんです。まるで自分が旅をしているような気分になれちゃいます。九州の温泉街や東北の被災地など、日本のいろんな場所が登場するんですよ。
面白いのは、これらの場所が実在する場所をモデルにしていることが多いんです。大分県の湯平温泉や熊本県の湯の鶴温泉は、映画に出てくる温泉街のモデルじゃないかって言われています。
神戸の街並みや岡山県の遊園地なんかも、映画の舞台として美しく描かれているんですよ。
でも、ただ綺麗なだけじゃないんです。これらの風景が、物語の展開やキャラクターの気持ち、映画のテーマをうまく表現しているんです。新海監督の繊細な描写力のおかげで、風景が物語の一部になっているんですね。
震災テーマの丁寧な扱い
最後に、震災テーマの扱い方についてお話しします。
「すずめの戸締り」では、東日本大震災をテーマにしています。新海誠監督は、震災の記憶が薄れつつある中で、「あの日を忘れない」という強い思いを込めて、正面から震災を描いているんです。
映画の中では、緊急地震速報の警報音が流れるシーンがあります。震災を経験した人にとっては、つらい記憶がよみがえるかもしれないので、事前に注意を呼びかけていたんですよ。
震災の描写については、いろんな意見があるんですが、多くの人が新海監督の丁寧な描き方に共感しています。心の傷の描き方にも配慮が感じられるんです。悲しいことだけじゃなく、人々の強さや希望も一緒に描かれているんですよ。
新海監督は、約9年もかけて3作品を通じて震災のことを考え続けてきたそうです。この真剣な姿勢が、多くの人の心に響いているんでしょうね。
すずめの戸締まりと他の作品との比較
新海誠監督の3作品「すずめの戸締まり」「君の名は。」「天気の子」を比べてみましょう。
それぞれの作品の特徴や似てるところ、違うところを見ていきますね。
| 項目 | すずめの戸締まり | 君の名は。 | 天気の子 |
|---|---|---|---|
| 公開年 | 2022年 | 2016年 | 2019年 |
| 主なテーマ | 震災、喪失、成長 | 時空を超えた恋、災害 | 気象、選択、犠牲 |
| 主人公 | 岩戸すずめ | 立花瀧、宮水三葉 | 森嶋帆高、天野陽菜 |
| 舞台 | 日本各地 | 東京、飛騨 | 東京 |
| ファンタジー要素 | 椅子になった少年、災いを封じる扉 | 体が入れ替わる | 天候を操る能力 |
| 音楽 | RADWIMPS、陣内一真 | RADWIMPS | RADWIMPS |
それじゃあ、各作品の詳しい比較を見ていきましょう。
「君の名は。」との類似点と相違点
「すずめの戸締まり」と「君の名は。」は、新海誠監督の代表作として有名ですが、似てるところと違うところがあるんです。
両方の作品とも、災害をテーマにしてるんだけど、その扱い方が違うんです。
「君の名は。」では、隕石が落ちてくるっていう架空の災害を通じて東日本大震災を思い出させるような描写があったんです。でも、「すずめの戸締まり」では、もっと直接的に震災を題材にしてるんです。
主人公のすずめは小さい頃に震災でお母さんを亡くしてて、その悲しみが物語の大事な部分になってるんです。
物語の組み立て方も違うんですよ。「君の名は。」では、主人公の瀧と三葉が時間や場所を超えて出会って、お互いの体が入れ替わるっていうファンタジーな要素が中心だったんです。でも「すずめの戸締まり」では、すずめが一人で旅をしながら成長していく物語になってるんです。
でも、椅子になった少年・草太との出会いとか、ファンタジーな要素はちゃんとあるんですよ。
映像の美しさは、両方の作品とも高く評価されてるんです。「君の名は。」では東京と飛騨の風景が綺麗に描かれてて、「すずめの戸締まり」では日本のいろんな場所の風景が細かく描かれてるんです。
音楽は、両方ともRADWIMPSが担当してて、物語を盛り上げる大切な要素になってるんです。
「天気の子」との共通テーマ
「すずめの戸締まり」と「天気の子」には、いくつか共通するテーマがあるんです。
両方の作品とも、自然災害と人間の関係を描いてるところが大きな特徴なんです。
「天気の子」では、異常な天気という形で災害が描かれてて、主人公の帆高が天気を変える力を持つ陽菜と出会うんです。一方、「すずめの戸締まり」では、地震という形で災害が描かれてて、すずめが災いを封じる扉を閉める旅に出るんです。
両方の作品とも、人間が自然とどう向き合うかっていう問いかけをしてるんです。
キャラクターの成長っていう点でも似てるところがあるんです。「天気の子」の帆高は、東京で生きていくために頑張って、陽菜との出会いを通じて成長していくんです。「すずめの戸締まり」のすずめも、旅を通じて自分の過去と向き合って、成長していく姿が描かれてるんです。
でも、「天気の子」が「君が大丈夫になりたい」物語だったのに対して、「すずめの戸締まり」は「自分が大丈夫になる」物語だって言われてるんです。
音楽は、両方ともRADWIMPSが担当してるんだけど、「すずめの戸締まり」では陣内一真さんも加わって、もっと幅広い音楽になってるんです。
このように、「すずめの戸締まり」は新海誠監督の前の作品の要素を引き継ぎながらも、新しいチャレンジを含んだ作品になってるんです。災害や喪失、成長っていうテーマを通じて、見る人に深い感動と考えさせられる内容を提供してるんです。
まとめ｜「すずめの戸締り」がつまらないと感じる人の意見と評価の分かれ目
| 評価が分かれる要因 | つまらないと感じる理由 | 評価されている点 |
|---|---|---|
| 震災描写への賛否両論 | ご都合主義的な展開 | 美しい映像美と音楽 |
| ファンタジー要素の受け止め方 | 主人公の鈴芽に共感できない | 日本各地の風景描写 |
| 新海誠監督への期待値 | 展開が急すぎる | 震災テーマの丁寧な扱い |
| ストーリーの一貫性がない | ||
| 震災をテーマにしたリアルな描写が辛い |
「すずめの戸締り」は、新海誠監督の作品として高い評価を得ている一方で、つまらないと感じる人もいます。
その理由として、ご都合主義的な展開や主人公への共感の難しさ、展開の速さなどが挙げられています。
一方で、美しい映像美や音楽、日本各地の風景描写、震災テーマの丁寧な扱いなどが評価されています。
評価が分かれる要因としては、震災描写への受け止め方や、ファンタジー要素の好み、新海監督への期待値の違いなどがあります。
「君の名は。」や「天気の子」との比較も、評価に影響を与えているようです。
結局のところ、「すずめの戸締り」の評価は個人の好みや経験によって大きく異なるため、一度見て判断するのではなく、再鑑賞や他者の意見を参考にしてみるのも良いかもしれません。
