すずめの戸締まりを断片的にしか見られなかった方、気になっているけどまだ観ていない方はいませんか?
新海誠監督が贈る感動のアニメーション映画『すずめの戸締まり』17歳の少女すずめが災いの扉を閉じる旅に出る、この物語には深いテーマと美しい映像が詰まっています。
東日本大震災をモチーフに、喪失と再生のサイクルを描いた本作。
すずめの成長と過去との和解、日本各地を巡るロードムービー的展開など、見どころが満載です。
本記事では、あらすじや主要キャラクター、結末までを3分で解説しますね!
- すずめの戸締まりの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | すずめの戸締まり |
監督・脚本・原作 | 新海誠 |
公開日 | 2022年11月11日 |
上映時間 | 122分 |
主演声優 | 原菜乃華(岩戸すずめ役) |
松村北斗(宗像草太役) | |
音楽 | RADWIMPS、陣内一真 |
興行収入 | 149.4億円 |
すずめの戸締まりのあらすじは?
『すずめの戸締まり』は、災いの扉を閉じる少女の成長と冒険を描いた、美しい映像と深いテーマを持つアニメーション映画です。
物語は以下の3つの要素を中心に展開していきます。
- 17歳の少女すずめが扉を閉める旅に出る
- 日本各地で災いをもたらす扉を閉じていく
- すずめの過去と向き合う展開
それでは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。
17歳の少女すずめが扉を閉める旅に出る
物語は、九州の静かな町に住む17歳の高校生、岩戸鈴芽(いわとすずめ)から始まります。
ある日、すずめは「扉を探している」という不思議な青年、宗像草太(むなかたそうた)と出会います。好奇心旺盛なすずめは、草太の後を追って山中の廃墟に行きます。
そこで、すずめは古びた扉を見つけ、思わず開けてしまいます。すずめが扉を開けたことで、日本各地で災いをもたらす扉が次々と開き始めるのです。これがきっかけとなり、すずめは草太と共に日本中を旅して、開いてしまった扉を閉める「戸締まりの旅」に出ることになります。
この設定は、日本の神話や伝説にある「異界への扉」というモチーフを現代的に解釈したものだと言えるでしょう。扉を閉じる旅を通じて、すずめの成長と自己発見の物語が描かれていくのです。
日本各地で災いをもたらす扉を閉じていく
すずめと草太は、日本各地を巡りながら、開いてしまった扉を閉じていきます。彼らが訪れる場所は、廃墟となった学校や寂れた温泉街など、忘れ去られた場所ばかり。これらの場所には、かつてそこに住んでいた人々の思い出や感情が残されているのです。
例えば、廃校となった小学校では、かつての生徒たちの楽しかった思い出や、閉校を惜しむ気持ちを感じ取ります。また、さびれた温泉街では、かつての賑わいや、衰退していく町の悲しみを目の当たりにするのです。
すずめは扉を閉じる過程で、その土地の記憶や人々の思いに触れ、成長していきます。この旅を通じて、すずめは日本の様々な場所や文化、そこに住む人々の思いを知ることになるのです。
私は、この「扉を閉じる」という行為が、過去の記憶や感情を受け入れ、前に進むことの象徴だと解釈しました。忘れられた場所の扉を閉じることで、その場所の記憶を大切に保存し、新たな未来へと繋げていく。そんなメッセージが込められているように感じられたのです。
すずめの過去と向き合う展開
物語が進むにつれ、すずめの過去が少しずつ明らかになっていきます。実は、すずめは東日本大震災で母親を亡くしていたのです。
この事実が明らかになることで、すずめの「戸締まりの旅」が単なる冒険ではなく、自身のトラウマと向き合う旅でもあったことが分かります。すずめは、各地の扉を閉じながら、自分の中にある「閉ざされた扉」、つまり震災の記憶や母親の死という現実にも向き合っていくのです。
この展開は、震災後の日本社会が抱える課題や、個人のトラウマの克服という普遍的なテーマを描いています。すずめの成長は、震災を経験した多くの人々の心の回復と重なり合い、深い共感を呼ぶことでしょう。
最終的に、すずめは自分の過去を受け入れ、前を向いて生きていく力を得ます。この姿は、視聴者に勇気と希望を与えてくれるはずです。
ここまで「すずめの戸締まりのあらすじ」を解説しました。
- 17歳の少女すずめが災いの扉を閉じる旅に出る
- 日本各地で扉を閉じながら、様々な場所や人々の思いに触れる
- すずめが東日本大震災で母を亡くした過去と向き合う
- 扉を閉じる旅が自身のトラウマ克服の過程でもある
このような壮大な物語を彩るのは、個性豊かなキャラクターたちです。
すずめの成長を支え、時に対立し、物語を動かす重要な存在たち。
では、「すずめの戸締まり」の主要キャラクターたちは、どのような役割を担い、どんな関係性を持っているのでしょうか?次の章で詳しく見ていきましょう。
すずめの戸締まりの主要キャラクターと役割・関係性
『すずめの戸締まり』には、魅力的なキャラクターがたくさん登場します。それぞれのキャラクターには、独自の役割があり、互いに複雑な関係性を持っています。
主要なキャラクターは以下の6人です。
キャラクター名 | 役割 | 特徴 | 物語への影響 |
---|---|---|---|
岩戸鈴芽 | 17歳の主人公 | 好奇心旺盛、少し天然 | 物語の中心、成長と冒険が主軸 |
宗像草太 | 閉じ師の青年 | 真面目、責任感が強い | 鈴芽の旅の同伴者、後に椅子に変えられる |
ダイジン | 要石の化身である白猫 | 人間の言葉を話す、謎めいた存在 | 物語の展開に大きな影響、草太を椅子に変える |
岩戸環 | すずめの叔母 | 鈴芽を育てている、キャラ弁を作る | 鈴芽との複雑な関係性が描かれる |
岡部稔 | 建設作業員 | 誠実、優しい | 鈴芽たちの旅を助ける、環に片想い |
二ノ宮ルミ | スナックのママ | 強く、明るく、愛情深い | 鈴芽の精神的支え、姉のような存在 |
それでは、一人ずつ詳しく見ていきましょう。
岩戸鈴芽:17歳の主人公
岩戸鈴芽(いわとすずめ)は、この物語の主人公です。17歳の高校生で、九州の静かな町で暮らしています。鈴芽は幼い頃に母親を亡くし、叔母の環に育てられています。
好奇心旺盛で少し天然な鈴芽は、宗像草太との出会いをきっかけに「戸締まりの旅」に出ます。旅の中で、様々な人々と出会い、自分自身の過去や感情と向き合っていきます。
宗像草太:閉じ師の青年
宗像草太(むなかたそうた)は、災いをもたらす扉を閉じる”閉じ師”として旅をしている青年です。草太は鈴芽と出会い、共に旅をすることになります。
真面目で責任感の強い草太は、鈴芽に閉じ師の仕事を教えます。しかし、物語の中盤で謎の猫・ダイジンによって椅子に変えられてしまいます。
ダイジン:要石の化身である白猫
ダイジンは、人間の言葉を話す謎の白猫です。実は要石の化身であり、物語の展開に大きな影響を与え、草太を椅子に変えるなど、重要な役割を果たします。
ダイジンの名前の由来には諸説あります。公式では「昔の大臣みたい」というSNSの投稿から名付けられたとされていますが、「大神様」が本当の由来だという説もあります。
ダイジンというキャラクターが、物語に深みと神秘性を与えていると感じます。人間の言葉を話す白猫という設定が、ファンタジー要素を強めつつ、独特の魅力を加えているのではないでしょうか。
岩戸環:すずめの叔母
岩戸環(いわとたまき)は、鈴芽を育てている叔母です。漁協で働いており、鈴芽の面倒を見ています。環と鈴芽の関係性は複雑で、本当の親子ではないという事実が影響しています。
環は鈴芽との絆を深めようと努力しており、その一つの表れがキャラ弁を作ることです。しかし、このような表面的な愛情表現に、鈴芽は「うまく笑えない」こともあります。
岡部稔:建設作業員
岡部稔(おかべみのる)は、鈴芽たちの旅で出会う重要な脇役です。建設作業員として働いており、鈴芽と草太の旅を助ける存在となります。岡部は環に片想いしており、この感情が物語の展開に影響を与えます。
誠実で優しい岡部は、鈴芽たちを温かく見守り、時に助言を与えます。彼の存在は、鈴芽たちの旅に安心感と人間味を与えています。
二ノ宮ルミ:スナックのママ
二ノ宮ルミは、鈴芽たちの旅で出会う女性です。スナックのママとして働いており、強く逞しく楽しく明るく愛情深い性格の持ち主です。ルミは鈴芽に対して姉のような存在となり、精神的な支えとなります。
ルミは自身の経験から、鈴芽に様々なアドバイスを与えます。彼女の明るさと強さは、鈴芽に勇気を与え、成長を促す重要な要素となっています。
すずめの戸締まりの見どころは?
見どころは以下の3点です。
- 圧倒的な映像美と細部まで作り込まれた背景
- 日本各地を巡るロードムービー的展開
- すずめの成長と過去との和解
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
圧倒的な映像美と細部まで作り込まれた背景
『すずめの戸締まり』の最大の魅力は、息をのむほど美しい背景描写です。
新海誠監督の作品らしい、細部まで丁寧に描かれた風景が随所に散りばめられています。
九州の朝焼けや瀬戸内海の波、東京の夜景など、日本各地の美しさが目を奪います。
特に、水面の反射や光の表現は圧巻です。油津港の水面に映る空や、雨上がりの路面に映る街灯の光は、まるで実写のよう。
廃墟の描写も見事で、朽ちた木材や剥がれたペンキが時の流れを感じさせます。
これらの背景は物語の雰囲気作りにも一役買っています。廃墟の不気味さや災害の爪痕は、「災い」というテーマを視覚的に表現しているのです。
日本各地を巡るロードムービー的展開
『すずめの戸締まり』は、主人公のすずめが日本各地を旅するロードムービー的な展開が特徴です。
すずめは九州から始まり、四国、関西、そして東京へと旅を続けます。
道中で様々な土地の風景や文化、人々との出会いが描かれます。愛媛県の道後温泉や神戸の街並み、東京スカイツリーなど、日本の名所が次々と登場するのです。
各地に点在する「災いの扉」を閉じていく過程で、すずめは様々な経験をし、成長していきます。
この旅の描写は、日本の多様な魅力を再発見させてくれる要素にもなっています。都会と田舎、新しいものと古いもの、自然と人工物など、日本の様々な側面が描かれているのです。
すずめの成長と過去との和解
『すずめの戸締まり』の核心は、すずめが過去のトラウマと向き合い、和解していく過程です。
すずめは東日本大震災で母親を亡くしており、その喪失感が心の奥底に潜んでいます。
物語が進むにつれ、すずめは自分の過去と向き合うことを余儀なくされます。母親が残した椅子が重要なアイテムとして登場し、すずめの記憶を呼び覚ますのです。
各地で出会う人々との交流を通じて、すずめは少しずつ自分の感情と向き合っていきます。特に、スナックのママ・ルミとの出会いは、すずめに大きな影響を与えます。
クライマックスでは、すずめが自分の過去の姿と直接向き合う場面があります。これは、すずめが自分自身を受け入れ、前に進む決意をする重要な瞬間なのです。
私は、この成長と和解のプロセスが作品の中心テーマだと考えています。大きな喪失を経験しながらも前を向くすずめの姿は、多くの人の心に響くのではないでしょうか。
ここまで「すずめの戸締まりの見どころ」を解説しました。
- 圧倒的な映像美と細部まで作り込まれた背景描写
- 日本各地を巡るロードムービー的展開
- すずめの成長と過去との和解のプロセス
これらの見どころは、単なる美しい映像や感動的なストーリーにとどまりません。
その背後には、深い意味や象徴が隠されているのです。
『すずめの戸締まり』が描こうとしているテーマやモチーフとは一体何なのでしょうか?
次の章では、この作品に込められた深層的なメッセージについて詳しく見ていきましょう。
すずめの戸締まりのモチーフは?
『すずめの戸締まり』には、いくつかの重要なモチーフがあります。 それぞれのモチーフについて、詳しく見ていきましょう。
- 東日本大震災がテーマの一つ
- 日本各地の実在する場所がモデルに
- 喪失と再生のサイクル
東日本大震災がテーマの一つ
『すずめの戸締まり』は、東日本大震災をテーマの一つとして取り上げています。
新海誠監督は、この作品で震災の記憶と向き合おうとしています。
映画の中で、鈴芽たちは災害が起きた全国各地を巡ります。震災後、人が住まなくなったり、壊れたままの建物が登場するんです。
新海監督は「場所を悼むような物語」を目指したそうです。人のいなくなった場所を慰霊しながら回る旅を描こうとしたんですね。
日本各地の実在する場所がモデルに
『すずめの戸締まり』では、日本各地の実在する場所がモデルになっています。
物語は九州から始まり、四国、関西、そして東京へと進んでいきます。
例えば、物語の始まりは宮崎県。鈴芽のモチーフの一つに天岩戸伝説があるからだそうです。
廃墟の遊園地や温泉街も実在の場所がモデル。制作チームが実際にロケハンして、写真を撮影したんですよ。
喪失と再生のサイクル
『すずめの戸締まり』には、喪失と再生のサイクルというモチーフが込められています。
この作品は、失われたものを悼みつつ、新しい未来へ向かう物語です。
鈴芽は震災で母親を亡くしています。物語が進むにつれ、彼女は過去と向き合うことになります。
でも、鈴芽は過去に囚われません。旅を通じて成長し、新しい絆を築いていくんです。
廃墟を巡る旅自体も、喪失と再生のサイクルを表しています。失われた賑わいを悼みつつ、新しい未来を作るメッセージが込められているんです。
すずめの戸締まりの結末(ネタバレあり)
結末には大きく分けて3つの重要な展開があります。
- すずめと草太の最後の戦い
- 過去との和解と未来への希望
- 新たな旅立ちを示唆するラストシーン
それぞれの展開について詳しく見ていきましょう。
すずめと草太の最後の戦い
物語のクライマックスは、すずめと草太の最後の戦いです。
すずめは東京スカイツリーの天望回廊で、巨大なミミズと対峙します。このミミズは開いた扉から現れた災いの象徴なんです。
すずめは今までの経験と勇気を振り絞って戦います。これは単なる物理的な戦いじゃなく、すずめの内なる恐れとの戦いでもあるんです。
椅子の姿の草太も奮闘し、二人の協力で最終的にミミズを倒します。この勝利は、すずめの成長の証でもあります。
過去との和解と未来への希望
戦いの後、すずめは不思議な空間で幼い頃の自分と出会います。
そこで、すずめは幼いすずめを抱きしめ、「私は、すずめの明日」と語りかけるんです。
この場面は、すずめが過去を受け入れ、未来に希望を見出す重要な瞬間です。震災で母を亡くした過去を抱えながらも、前を向く決意が示されています。
この場面がこの映画の核心だと感じました。過去の痛みを乗り越えて成長する姿が美しく描かれていて、深く心に残りましたね。
新たな旅立ちを示唆するラストシーン
物語の最後は、すずめと草太の新たな旅立ちを示唆しています。
草太は人間の姿に戻り、すずめと共に新しい冒険に出発しようとしています。二人は、まだ閉じられていない扉を探す旅を続けることを決意するんです。
ラストシーンでは、新幹線に乗って旅立つ二人の姿が描かれます。これは希望に満ちた未来の象徴であり、同時に日本各地にまだ閉じられていない扉があることも示唆しています。
まとめ|すずめの戸締まりのあらすじと見どころ
項目 | 内容 |
---|---|
あらすじ | 17歳の少女すずめが災いの扉を閉じる冒険と成長の物語 |
主要キャラクター | 岩戸鈴芽、宗像草太、ダイジン、岩戸環、岡部稔、二ノ宮ルミ |
見どころ | 圧倒的な映像美、ロードムービー的展開、すずめの成長 |
モチーフ | 東日本大震災、日本各地の実在する場所、喪失と再生 |
結末 | すずめと草太の戦い、過去との和解、新たな旅立ち |
『すずめの戸締まり』は、新海誠監督が贈る感動のアニメーション映画です。
17歳の少女すずめが災いの扉を閉じる旅に出る物語で、美しい映像と深いテーマが特徴です。
主人公すずめを中心に、閉じ師の草太や謎の存在ダイジンなど、個性豊かなキャラクターが物語を彩ります。
見どころは、新海監督ならではの圧倒的な映像美と、日本各地を巡るロードムービー的展開、そしてすずめの成長と過去との和解です。
東日本大震災をモチーフに、喪失と再生のサイクルを描いた本作は、観る人の心に深く響きます。
結末では、すずめと草太の最後の戦いを経て、過去との和解と未来への希望が示されます。
新たな旅立ちを示唆するラストシーンは、観る人に勇気と感動を与えてくれるでしょう。