【鬼滅の刃】猗窩座の人間時代の過去がかわいそう？女を殺さない理由とは

鬼滅の刃の猗窩座は、一体どんな過去を持っているのでしょうか？
無限列車編で煉獄杏寿郎を倒した猗窩座が鬼になった理由や、人間だった頃の生い立ちが気になりますよね。
実は、猗窩座には悲しくて辛い過去があったのです。

幼い頃から貧しさゆえに盗みを働き、病気の父親を助けようとしていた猗窩座。
しかし、最愛の恋人と師匠を失ってしまったことで、彼の人生は一変してしまいます。

そんな猗窩座の人間時代のかわいそうなエピソードや、鬼となってからの生き様を知ると、今まで以上に彼の魅力が深まるはずです。

猗窩座の過去を知ることで、彼の強さの理由や、女を殺さないという行動の意味がわかるでしょう。
そして、最期の場面で見せた、炭治郎への感謝の言葉にも胸を打たれるはずです。

この記事では、猗窩座のかわいそうで悲しい過去と、それでも最後まで強く生きた彼の姿を詳しくお伝えします。
猗窩座のことをもっと知りたいあなたは、ぜひ本文をご覧ください。

猗窩座の過去とは？人間時代の名前や生い立ちを解説

猗窩座の過去について、人間時代の名前や生い立ちを解説します。

それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。

猗窩座の人間時代の名前は狛治（はくじ）

猗窩座が人間だった頃の名前は、狛治（はくじ）といいました。

狛治という名前には、「狛犬」の「狛」の字が使われています。
狛犬は神社の入り口などに置かれている、獅子のような姿をした守り神の像のことです。

つまり、狛治という名前には、何かを守るために戦う人物という意味が込められていたのかもしれません。

しかし、幼少期の狛治は貧しい生活を送っており、父親の病気を治すために盗みを働くような日々を過ごしていました。
狛犬のように誰かを守るどころか、自分の家族さえまともに守れない状況だったのです。

幼少期は貧しく、病気の父親のために盗みを働いていた

狛治の幼少期は、とても貧しく厳しいものでした。

父親は病気がちで働くことができず、狛治は生活のために盗みを働いていたのです。
わずか11歳の時には、盗みの罪で捕まり、大人でも耐えられないような厳しい罰を受けたこともありました。

けれども狛治は、病に伏せる父親のために必死に盗みを繰り返します。
薬を買うためのお金が必要だったからです。

幼いながらに家族を必死に支える狛治の姿からは、父親を大切に想う気持ちと、どんなに辛くても耐え抜く強さが感じられます。

しかし、そんな狛治の努力虚しく、ついに父親は自ら命を絶ってしまうのでした。

父親の死をきっかけに、世の中への憎しみを抱くようになる

父親が自殺したことで、狛治の人生は大きく変わってしまいます。

父親の遺書には、「真っ当に生きろ」「俺は人様から金品を奪ってまで生き長らえたくはない」といった言葉が記されていました。

しかし、必死に生きてきた狛治にとって、その言葉は重荷でしかありませんでした。
真っ当に生きることなんてできるはずがない、そう思った狛治は、かえって自暴自棄になってしまったのです。

父親の死は、狛治から大切な存在を奪っただけでなく、生きる希望をも奪ってしまったのでした。

こうして狛治は、貧しさゆえに理不尽な目に遭い、愛する者を失った経験から、次第に世の中への憎しみを抱くようになっていきます。

狛治の悲しい過去は、猗窩座が鬼となってからの行動にも大きな影響を与えているのかもしれません。

猗窩座が鬼になった理由と経緯

猗窩座が鬼になった理由は以下の通り。

それでは、詳しく見ていきましょう。

鬼舞辻無惨に無理やり血を与えられ、鬼に変えられた

猗窩座が鬼になったのは、鬼舞辻無惨に無理やり血を与えられたからです。

当時の狛治は、愛する恋人の恋雪（こゆき）と師匠の慶蔵（けいぞう）を殺された絶望から、自暴自棄になっていました。
そんな狛治の前に、鬼舞辻無惨が現れたのです。

無惨は狛治に「お前は強い。鬼になれ」と告げ、無理やり血を与えました。
狛治は抵抗しましたが、圧倒的な力の前に為すすべもありません。

こうして、狛治は自分の意思とは関係なく、鬼へと変えられてしまったのです。

大切な人を失った絶望から、鬼としての力を受け入れた

鬼となった狛治は、自らを猗窩座と名乗るようになりました。

しかし、鬼になったことで狛治の記憶は曖昧になり、人間だった頃の記憶をほとんど失ってしまいます。
恋雪への想いも、慶蔵への恩も、すべて忘れ去ってしまったのです。

ただ、大切な人を失った絶望だけは、猗窩座の心に深く刻み込まれていました。
「弱いから守れなかった」という後悔が、猗窩座を突き動かしていたのです。

そんな猗窩座にとって、鬼としての圧倒的な力は、とてもありがたいものに思えたことでしょう。
二度と大切な者を失わないために、猗窩座は鬼の力を受け入れ、さらなる強さを求めるようになったのです。

鬼になってからも、無意味な殺戮を繰り返す日々を送る

鬼となり、強大な力を手に入れた猗窩座。

しかし、その力を正しい方向に使うことはできませんでした。
猗窩座は鬼となってからも、ただひたすらに人を殺し、喰らい続けたのです。

自分を傷つけた世界への復讐なのか、それとも強さを求める余りの狂気なのか。
理由はわかりませんが、猗窩座はまるで殺すことが生きがいであるかのように、無意味な殺戮を繰り返しました。

一方で、女は決して手にかけません。
恋雪への想いが、わずかに猗窩座の中に残っていたのかもしれません。

しかし、そんな猗窩座の心の奥底に、かつて人を愛し、守ろうとしていた狛治の面影はもうありませんでした。
ただ、強さのみを追い求め、血に飢えた鬼と化してしまったのです。

猗窩座の人間時代のかわいそうなエピソード

猗窩座の人間時代には、かわいそうなエピソードがいくつもあります。

それぞれのエピソードを、詳しく見ていきましょう。

父親の病気を治すために盗みを繰り返す辛い幼少期

猗窩座が人間だった頃、狛治という名前で生きていた時代。
狛治の幼少期は、とても辛いものでした。

父親は病に伏せており、働くことができません。
そのため、狛治は生活のために盗みを働いていたのです。

わずか11歳の時には、盗みの罪で捕まり、大人でも耐えられないような厳しい罰を受けたこともありました。
それでも狛治は、必死に盗みを繰り返します。
父親の薬代を稼ぐためには、そうするしかなかったのです。

けれども、そんな狛治の努力も空しく、ついに父親は自ら命を絶ってしまいました。
真っ当に生きることを諦めた父は、盗みを働く息子の将来を案じ、死を選んだのかもしれません。

幼い狛治にとって、愛する父を失ったショックは計り知れません。
そして、父の死から狛治は、この世の中への憎しみを抱くようになってしまうのです。

愛する恋雪と慶蔵を毒殺され、守れなかった無力さ

父を亡くし、自暴自棄になっていた狛治を助けてくれたのは、慶蔵という男でした。

慶蔵は狛治の強さを見抜き、自分の道場に招き入れます。
そこで狛治は、慶蔵の娘・恋雪と出会うのです。

病弱な恋雪の世話を任された狛治は、次第に彼女に惹かれていきました。
恋雪もまた、真っ直ぐで優しい狛治に心を開いていったのです。

しかし、2人の幸せな日々は長くは続きませんでした。
慶蔵の道場に恨みを持つ者たちが、恋雪と慶蔵を毒殺してしまったのです。

たった一人、道場を留守にしていた狛治は、2人を救うことができませんでした。
自分の無力さを思い知らされ、狛治は再び絶望の淵に立たされます。

そんな狛治を、さらに追い詰めるように現れたのが、鬼舞辻無惨だったのです。

強くなりたいという願いが、皮肉にも弱者を殺す結果に

鬼舞辻無惨によって鬼へと変えられた狛治は、猗窩座という名を与えられました。

鬼となった猗窩座は、圧倒的な力を手に入れます。
それは、人間だった頃の狛治が望んでいた「強さ」そのものでした。

しかし皮肉なことに、その力は弱者を守るためではなく、弱者を殺すために使われることになってしまいます。
猗窩座は、自分より弱い者を容赦なく殺戮し、「強者」であり続けたのです。

愛する者を守れなかった無力さへの怒り。
二度と同じ思いをしたくないという願い。
そんな狛治の想いが、ねじ曲がった形で表れてしまったのかもしれません。

猗窩座の物語は、悲しみと絶望が生んだ悲劇と言えるでしょう。
弱さゆえに大切なものを失った男が、皮肉にも弱者を蔑む鬼へと変貌してしまうのです。

人を愛し、守ることを望んでいた狛治。
その彼が、愛する者さえ殺めてしまう鬼になるとは、なんとも皮肉な結末だと思います。

猗窩座が女を殺さない・食べない理由

猗窩座が女性を殺さない・食べない理由について解説します。

それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。

恋雪への想いが残っているため、女性を大切にしている

猗窩座が女性を殺さない最大の理由は、人間だった頃に愛した恋雪の存在が関係しているようです。

鬼となり記憶をなくした猗窩座ですが、恋雪への想いだけは心のどこかに残っていたのでしょう。
だからこそ、無意識のうちに女性を大切にし、決して手にかけることができないのです。

猗窩座にとって、女性を殺すことは、愛する恋雪を再び失うことと同じなのかもしれません。
たとえ記憶がなくても、恋雪を守れなかった悔しさは、猗窩座の心に深く刻み込まれているのでしょう。

恋雪の面影を女性たちに重ね、無意識に守ろうとしている。
それが、猗窩座が女性を殺さない一番の理由なのかもしれません。

過去に男性から受けた仕打ちから、男性を敵視している

猗窩座が女性を殺さないもう一つの理由は、男性への敵意が関係しているのかもしれません。

人間だった頃、狛治は男性たちから多くの仕打ちを受けてきました。
父親の病を治すために盗みを働き、その罰として厳しい制裁を受けたこともありました。

また、慶蔵や恋雪を殺した犯人も、男性だったのです。
狛治にとって、男性は憎むべき存在でしかなかったのかもしれません。

そんな狛治の想いが、鬼となった猗窩座の中に残っているのかもしれません。
男性は敵であり、殺すべき存在。でも女性は違う。
そんな区別が、猗窩座の中にあるのかもしれません。

強さを求める中で、女性を殺すことに意味を見出せない

猗窩座は、ただひたすらに強さを求め、戦い続ける鬼です。

そんな猗窩座にとって、弱い人間を殺すことに、何の意味もないのでしょう。
特に女性は、猗窩座より圧倒的に力が劣ります。

「弱者を殺したところで、強さの証明にはならない」
猗窩座はそう考えているのかもしれません。

猗窩座が求めるのは、自分と互角以上に渡り合える強者との戦いです。
そこに女性が入り込む余地はないのです。

ただ闘争本能のままに、強者と死闘を繰り広げる。
そんな猗窩座の美学からすれば、女性を殺す理由など何一つないということなのでしょう。

猗窩座の技に隠された悲しい過去

猗窩座の技には、人間だった頃の悲しい過去が反映されています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

血鬼術「破壊殺」の技名は全て花火が由来

猗窩座の血鬼術「破壊殺」の技名は、全て花火の名前が由来となっています。

例えば、「破壊殺・空式」は打ち上げ花火を、「破壊殺・乱式」は連発花火を想起させます。
他にも「滅式」「羅針」など、花火を連想させる言葉が使われているのです。

これは、人間だった頃の狛治と、恋雪との思い出が関係しているのかもしれません。
狛治は、恋雪にプロポーズをした夜、二人で花火を見たのです。

あの日の感動と、恋雪への愛おしさ。
その想いが、鬼となった猗窩座の中に、花火として残っているのかもしれません。

術式展開の雪の結晶は恋雪の髪飾りがモチーフ

猗窩座が術式展開をする際、足下に浮かび上がる文様があります。
よく見ると、それは雪の結晶に似ているのです。

実はこの文様、恋雪がいつも付けていた髪飾りがモチーフになっているのだとか。
恋雪は、雪の結晶の形をした髪飾りを愛用していたのです。

鬼となり、恋雪のことを忘れてしまった猗窩座。
それでも恋雪への想いは、雪の結晶となって猗窩座に寄り添っているのかもしれません。

無意識のうちに、恋雪を感じ、そばに置こうとしているのかもしれません。
術式の発動は、恋雪の加護のようにも思えます。

破壊殺の構えや型は、慶蔵から教わった素流

猗窩座の構えや型は、人間だった頃に慶蔵から教わった素流がベースになっています。

素流とは、慶蔵が極めた剣術流派の名前。
狛治は、慶蔵の道場に居候していた頃、この素流を学んだのです。

慶蔵は、狛治にとって師であり、父のような存在でした。
恋雪を愛するようになったのも、慶蔵の道場に来てからのこと。

慶蔵への想いは、狛治の人生を大きく変えたのです。

その慶蔵の教えが、鬼となった猗窩座の中に生きている。
破壊殺は、まさに慶蔵の遺伝子と言えるかもしれません。

猗窩座の技からは、狛治の人生が透けて見えるようです。
花火に恋雪を、型に慶蔵を感じる。

そんな風に、猗窩座の技を見つめ直すと、また違った趣きがあるのかもしれません。

猗窩座の最期と炭治郎への感謝

最後に、猗窩座の最期について触れておきましょう。

詳しく見ていきましょう。

自らの弱さと過去の過ちに気づき、自ら命を絶つ

猗窩座は、炭治郎との戦いの中で、徐々に人間だった頃の記憶を取り戻していきます。

恋雪や慶蔵との日々、そして二人を守れなかった自分の弱さ。
猗窩座は、自らの過去と向き合い、己の非を認めるのです。

そして最後は、自らの意思で命を絶つことを選びました。
炭治郎に頸を斬られはしたものの、それは猗窩座自身の望みでもあったのです。

鬼の再生能力で蘇ろうとする肉体を、猗窩座は必死に抑えつけました。
自らを斬り、罪を償おうとしたのです。

弱かった自分を認め、過ちを悔いる。
猗窩座の最期は、そんな懺悔の儀式のようにも思えます。

炭治郎との戦いを通して、自分の心の弱さを認める

猗窩座が炭治郎に感謝したのは、自らの心の弱さを認めることができたからかもしれません。

炭治郎もまた、家族を鬼に奪われ、守れなかった悔しさを背負っています。
それでも炭治郎は、前を向いて戦い続ける。諦めることを知りません。

そんな炭治郎の姿は、猗窩座の心を揺さぶったのでしょう。
自分にはなかった強さを、炭治郎は持っている。

猗窩座は炭治郎との戦いを通して、己の心の弱さを思い知ったのかもしれません。
恋雪を失った悲しみに打ちのめされ、鬼となることを選んだ自分の弱さを。

炭治郎のような強い心があれば、違う道を歩めたかもしれない。
そんな風に考えたとき、猗窩座は炭治郎に感謝せずにはいられなかったのです。

最後は炭治郎に感謝の言葉を残し、清々しく散る

「ありがとう」

猗窩座の最期の言葉は、炭治郎への感謝の言葉でした。
自らの非を認め、心の弱さを知った猗窩座なりの、精一杯の感謝の言葉だったのでしょう。

そしてその言葉を残すと、猗窩座はひっそりと消えていきました。
まるで、すべてを受け入れ、何の未練もないかのように。

猗窩座の最期は、とても清々しく、美しいものに思えます。
自らを見つめ直し、過去と決別する。

そんな猗窩座の姿は、まるで禅僧が悟りを開くかのようでした。
長い迷いの末に、ようやく本当の自分を取り戻したのかもしれません。

炭治郎への感謝の言葉は、猗窩座の魂の解放の証だったのでしょう。

猗窩座の物語は、悲しくも美しい、一人の男の生涯の物語だったのかもしれません。
鬼となり、心まで失いかけた男が、最後に人間らしさを取り戻す物語。

私たちは、そんな猗窩座の人生に、心打たれずにはいられません。